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2013年 03月 11日
超楽しみにしていた作品。心待ちにしていた公開日が私の誕生日であることを知って、自分へのプレゼントは「映画を観る時間」と決め、ネットで予約し劇場へ。
プレミアムシートで、ワンドリンク付き。本当は、お祝いにシャンパン(有料)にしたいところを、無料のスパークリングワインで済ませるあたり、特別な日でも気が大きくなれない、弱気な自分を確認しました。 昼間から、お酒。白い目を覚悟してでも「誕生日だし。西洋カブレと思われても結構」と、ここでは強気な姿勢。しかし「仲間」がいました!大人の映画の良さはこんなところにも!とニンマリ。 ところが一口飲んだところでアルコールが体内に染み渡り、想定外の睡魔が襲ってきたのでした。 たぶん、若い頃だったらこの勢いで間違いなく眠りの世界へ入り、気づけばエンディングという事態になっていただろうな(とくにこの作品では)。そうならずにいられたのは、「年齢力」が発揮されたから。 この映画はある程度人生経験を積まないと、理解は難しいと思います。表面は老夫婦の介護シーンの繰り返し。そんななか、この年なりの過去の体験が、おおいに役立ちます。どんなささいな場面でも重ね合わせ、「そうだよね、こんな気持ちになるよね」「そういうときもあるし、そういう感情に支配されるときもある」などと、心でいちいち納得し、理解に至る。つまり映画のなかの人々に感情移入できてしまうから、意識ははっきりし、退屈しないのです。 ![]() 淡々とした物語のなか、妻が病によって、心身ともにくずれていく姿と並行し、日常が非日常になって行くのがよくわかります。当たり前に自分で食事し、シャワーを浴び、トイレに行く。人間の基本中の基本の動作が、しまいには自分でできなくなる。人の手を借りるのは、想像以上にショックだったりします。なんというかな、人としての尊厳?が、かろうじて愛する夫の介護によってのみ保たれているのではないのかな? 誰にだって見られたくないところがあるのだから。ときには、家族にさえも。 だからこそ、普通に今日を自力で生きていけていることを、当たり前だとバカにしてはいけないと思うのは、人生半ばを過ぎた私の感想。 「観たい」と思ったきっかけは、予告編で観た、主役のエマニュエルの立ち居振る舞いの美しさ。あんなおばあちゃんは、素敵すぎます。なだけに、最期がつらいのです。 若いみなさまは、パリの生活に注目すると楽しめるかも。便利ではなく、お金ですべてが解決せず、人の親切でなんとか乗り切る事もたくさん。瀟洒なアパルトマンで裕福に暮らす老夫婦。でも、私たちのイメージする贅沢とはちょっとちがう。 ▶鍵がこわれ、業者を頼んでもすぐには来てくれない。我が国ではありえない! ▶スーパーで水を買い、それを管理人に頼んで部屋まで運んでもらう。水の宅配がないのかね?などとすぐ便利な方向へ気持ちが行ってしまいます。 ▶新鮮ないちごが入手できなかったから、明日のマルシェで調達する。えー、新鮮ないちごがない?!今日はやめて明日出直す?必ずどこかで希望に添った品を入手できる私たちには考えられない。 ▶窓越しの空が、グレー。たまにだと美しいですが、冬はずっとそんな調子。これが続くと、心までグレーになることも。そんななかでささいな幸せを見つけて生きる人々が集まる街。 花の都の舞台裏では、忍耐を伴う生活を強いられるのですね。 例外的に、お金で問題を解決するシーンがありました。看護師をクビにするとき。寝たきりの妻の髪を一方的に乱暴にとかし、鏡を差し出す。顔を背ける妻。いままで凛として生きてきた彼女には、病に冒され変わり果てた自分を見るのは耐えられないはず。看護師は、病人の心理を読めず、自分が犯した罪に気づかなかったため、プロとしては失格とみなされたのでは?大金を手に入れても、それは手切れ金のようで屈辱的な「退職金」の支払われ方。 なんだか小難しそうなフランス社会。感想文はくどく、本一冊になりそうなのでここでやめておきます。ま〜でも細かい事はヌキにして、人として生まれたからには、尊厳が守られなくっちゃ!と妙に納得しつつ、帰宅しました。 20代の頃、この手の映画は睡魔との戦いで、2時間が5時間にも感じ、お尻が痛くなったものでした。人に誘われなんとなく観に行っていましたが、なんでしょう?この変わりよう! そこからずいぶん年はとったものの、たいした問題ではありません。問題は「とりかた」だと思ってます。そのためにも心への栄養、文化芸術が生活に欠かせないのですね、私の場合ですけど。 長々とここまで読んでくださり、ありがとうございました☆ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
by yokoyonezawa
| 2013-03-11 19:39
| 関心事感心記interest
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